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キングコング西野が芸人を引退した件で、有名人のアンチの心理が少しわかった

数日前に話題になってたこの記事、おもしろかった。ここに書いてある、芸人を引退するきっかけになった「EXD44」という番組も見た。これもおもしろかった(funnyじゃなくてinterestingの方の面白さ)。

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最近「イタい」と思ってたけどなんか西野さん好きになった理由

最近はキングコング西野さんがテレビで活躍しているのを見ることはほとんどなくなった(自分があんまりテレビを見なくなったっていうのもあるけど)。「はねとび」やってた時に比べると全然出てないんだと思う。その代わりにネットでこの人の記事を見かけるようになった。そのほとんどが世間から批判的に見られた記事。僕もどっちかというとそっちよりというか、批判までいかないけど「この人イタいな〜」という目で見ていた。

でもこの一件でそのイメージが変わった。なんか好きになった。考え方とか生き方とか「いいじゃん」と思った。

キングコング西野さんが芸人を辞めるきっかけになった件の一部始終

この一件を説明すると、番組で「いつもSNSで厳しい意見を言ってくる人に実際に会って話をしよう」という企画が立てられた。いわゆる「アンチ」と呼ばれる人のことですね。この人達とネット上ではなくリアルで会って話をしようと。なんとも勇気のある企画。この企画内容をtwitterでつぶやいて都内の某喫茶店で指定時間に相手(厳しい意見を言ってくる人)を待つ。

西野さんがドキドキしながら待っていると、黒マスクをした女の子が来店。まず黒いマスクが怖い。開口一番「芸人辞めないんすか?」て。その女の子からすると最近テレビに出ずに、絵本を描く方ばかりに力を入れているのに「芸人」を名乗っているのが気に入らないらしい。

この意見ですでに西野さんタジタジ。そこで彼の中の芸人の定義を語る。

たとえば、あと数年で退職で、退職金も出るのに、我慢できずに「沖縄に移住して喫茶店を始める」と言っちゃう、皆が右に行くところを左に行っちゃうような、「そんなことしていいの?」「そんな生き方、アリなの?」と、生き方そのものが質問になってしまうような人が、その瞬間とっている姿勢の名前を『芸人』と呼ぶようにしています。

キングコング 西野 オフィシャルダイアリー - 【お笑い芸人】キングコング西野、引退 - Powered by LINE , (参照 2016-07-04)

これを聞いても黒マスクの女の子は腑に落ちない様子。そこで喫茶店の入り口から新キャラ(中年男性)が登場。この人の言いたいことも「芸人のくせになんで絵本を描くのか」。同じ説明をしてもまるで響かない。「自分が一番好きな仕事はお笑いライブ。そのお笑いライブにどうやったらもっと人が来てくれるかを考えた時に、別の分野で活動をしてそこのお客さんをお笑いライブに呼ぼうと思い一生懸命がんばった」旨のことを熱く語るがまるで響かない。

困り果てた結果。

西野「絵本作家になります」

西野「芸人辞めます」

好きの反対は無関心

最初はこの「アンチ」と呼ばれる人たちが、嫌いな人の発言を常にTwitterで見守ったり、それに対して意見を送ったり、文句を言いに行くために実際会いに行く時間まで作ったりする、「その情熱どこから来るんや」ってすごい疑問だったけど、この番組を見てわかった。最初は好きだったんだなと。最初は好きで応援してたのに「最近テレビに見れなくてさみしい」とか「自分の思っている方向に進んでくれない」とかいう感情がだんだん大きくなってファン→アンチに変わるんだろうなと思いました。特に黒マスクの女の子を見ていたらそんな感じがした。だからファンだったときと同じようにその人の一挙一動が気になるし、見守るし、調べるし。好きじゃなかったらそんなことできない。

アンチの感情は親心と似てるのかも

「アンチと有名人」のこの関係ってそのまま「親と子供」の関係に置き換えれるなと思った。親っていろいろ意見を言って子供の行動を制限するよね。例えば子供(特に女の子)が県外に出て暮らしたいと言ったら親はダメだと言う。それは「毎日顔を見れなくなるのがさみしい」からだよね。子供が急に芸能人になりたいとかミュージシャンになりたいとか言いだしたら親はやめろと言う。それは「自分の思っている方向に進んで欲しい」からだよね。そうやって親は子供のことを思いすぎて、行動を制限して自分の範疇に置いておきたがる。

自分の人生なんだから好きなことをやればいいじゃない

黒マスクの女の子は西野さんに向かって「自分を甘やかしている」と言っていた。なんで自分を甘やかしたらダメなんだろう。なんで自分が「絶対楽しい」と信じた道を進ませてくれないんだろう。なんで自分の人生を人に制限されないといけないんだろう。その理由はたぶん「有名人にとってのファン」も「子供にとっての親」も同じで「昔のままでいてほしい」「変化してほしくない」という思いなんだろう。アーティストやバンドが新しいことをするとファンに「昔の方がよかった」と言われるのにも重なる。

西野、芸人辞めるってよ。うちの兄貴、会社辞めるってよ。

いま僕の実家では、兄が長年勤めている会社を辞めて独立をしようとしている。それに対して両親が猛反対している。「なんであんないい会社を辞めるのか」「甘く考えすぎている」「お前には向いていない」とひたすら兄の行動を制限しようとしている。兄は今年で33になるけど、そんな歳になっても子供って親に押さえつけられるんだなあ。夢をあきらめさせられた人間はずっと「あの時こうしていれば...」と自分の人生に不満を抱え続けて生きることになるだろう。

僕は兄の方を応援している。自分の人生なんだからやりたいことをやってほしいしどうなるのか見てみたい。無責任だけどそっちのおもしろそうな方に進んでくれた方が見ている方もおもしろいから、兄の決断を応援したい。さあこれからどうなるかな。

なんで今回西野さんのこの騒動がこんなに気になったのかというとたぶんこの両親と兄のやりとりがアンチと西野さんのやりとりに重なったからなんだろうな。

まとめ:自分の子供には「好きなこと」をやらせてあげたい

自分の子供はまだ小さいが、将来娘が「私はこれをやりたい」と言ったら精一杯応援してあげたい。その「好きなこと」があまり平凡ではないことだったとしたらうちの嫁はたぶん嫌がると思うけど、彼女を説得してでもやらせてあげたいと思う。だって娘の人生は母親である彼女の人生ではなくて、娘の人生なんだから。