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映画ドラえもんのび太の宝島感想-大人も泣けるほどおもしろい

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わたし3歳の娘と昨年から2年連続で公開日初日に映画ドラえもん見に行くくらいドラえもんファンです。

ファンではあるけど「ふ、しょせんはドラえもん。」「ふ、しょせんは子供向け映画さ。」ぐらいの気持ちで見に行ってました。

だけど今年は全然違った!

見た後には「まさかの3回泣いた。大人が泣いた。むしろ大人が泣ける。」とか「これは例年のドラえもん映画ではない。ドラえもんというフォーマットを使った邦画である。邦画の新作である。」とか「映画がめちゃめちゃよかったのに星野源さんの歌がさらに追い討ちをかけてくる。」とかもういろんなパターンで褒めちぎりたい感想が頭の中にどんどん湧いてきた。

「君の名は。」とか「怒り」とか最近自分の中でヒットした映画を企画している川村元気さんが脚本だったから少し期待はしていたんだけど本当に裏切られた(思いきり良い方向に)。

この映画、子供連れじゃなくても観に行っていいです。大人だけで見に行ってもいいです。胸を張っておすすめします(どの立場だ)。

なにがそんなにすごかったのか。ネタバレなしで見てない人も見た人も楽しめるように書いていこうと思います。

映画ドラえもんのび太の新宝島のすごいところ(感想)

2時間飽きさせなくてすごい

「君の名は。」とか「ラ・ラ・ランド」とかでよく言われてましたが最近ヒットしている映画はスマホで、Youtubeで、短い動画に飼いならされた現代人でも飽ないようにシーンが次々に切り替わる。無駄なシーンが一切ない。この映画もそんな作りになってる。

途中でジャイアン・スネ夫とドラえもん・のび太たちが二手に分かれるシーンがあるんだけど特にそことか、2グループの視点が切り替わる感じにFF6でまさかのパーティが二手に分かれて進んでいく展開(古すぎる記憶)思い出してわくわくした。

没入感がすごい

映画への没入感ってその日のコンディションにも左右されると思う。たしかに僕今日体調よかった。すごく映画の世界に入り込めた。ドラえもん映画では毎回用意されている、映画のテーマにそってのび太たちがドラえもんの道具をうまく使って極楽並みに(?)楽しく遊ぶシーンとか(今回は海と船)とか街の中で過ごすシーンとか本当に自分もその場にいるような感覚があってめちゃめちゃ楽しかった。ドラえもんでこんな気持ちになったの小学生のとき以来だ。

脚本がすごい

最初にも書いたけど今回の脚本は「モテキ」「バクマン。」「君の名は。」などなど企画するたびにヒット作を出している川村元気さんです。この方「もしもこの世界から猫が消えたなら」や「億男」といった小説も書いている作家さんでもあります。

そして川村元気さんの描く作品てとにかく読みやすい。読みやすくておもしろいうえにメッセージ性があって考えさせられる。胸に刺さるんですわ。なんなんだろうこのポップにかしこい感じ。天才だと思います。今回の宝島もそんな感じです(なんて大雑把な感想)。

現代社会への配慮がすごい

これも川村元気さんの話になるんですが昭和のお話だったドラえもんが現代のお話にうまいことアップグレードされていて感心した。現代社会への配慮が行き届いていてすごい。男よりも女のほうがたくましい描写とか。子育てに翻弄される父親とか。大きな問題(大きすぎ)をエンジニアがプログラム書いて解決するところとかものすごく現代っぽくてシステムエンジニアの自分としては超テンションが上がった。

そして配慮が行き届いているからひとりひとりのキャラクターに親近感が湧く。その彼らが知力と体力の両方を使っていきいきと活躍する様子を見るのって気分爽快で超楽しいんです。

この「誰も不快にさせない才能」って言ったらいいんだろうか。このバランス感覚ってすごい。

伏線回収がすごい

よく言われる「大どんでん返し!」みたいな大きな伏線回収があるわけではないです。ちょいちょい仕掛けられた伏線をうまく回収してくれる。人間って前に出てきたものが後で機能すると感動するんですよね。これってアハ体験の一種みたいなもんなんだろうか。川村元気さんの脚本はこの伏線というやつをやりすぎず嫌味なくさわやかに回収してくれる。めっちゃ良い。うまい。

ひみつ道具の使い方がすごい

僕めっちゃドラえもんファンなんでコミックスに出てくるひみつ道具はだいたいわかります。今回はこの映画のために新しく作られたひみつ道具がたくさん出てきた気がします。

だけど僕はそっちじゃなくておなじみの道具の使い方の上手さに感動しました。

船が橋にぶつかりそうだから瞬時にスモールライトで小さくしてまたすぐビッグライトで大きくするとことか、ミニドラをめっちゃ有効に働かせているところ(?笑)とか、このままじゃあかんやろってとこでさらっとテキオー灯使うとことか。その辺のひみつ道具使いがまるで職人芸を見ているみたいに鮮やかで思わず唸りました(なんか急にすごいマニアックな話してます)。

大人も泣けるのがすごい

ちょうど先週の日曜日にやっていた「ドラえもんのび太のひみつ道具博物館」を見てドラえもんの鈴で繋がれていたのび太とドラえもんの関係性にグッときていたところだったので、宝島でもこの2人の関係性が見えるシーンで感情が高まりすぎて泣いた。

あとネタバレになるから控えますが今回の主要キャラ達の回想シーンであともう2回泣いた。大人なのに泣きすぎ。いや、今回のは大人だから泣けると思う。

アニメーションがすごい

僕はアニメーションの技術には全く詳しくないんですが。そんな自分でも「きれいだ」って思うぐらいきれいで鮮やかな絵、色、なめらかな動き。心が躍る背景。超気持ちいいです。アニメーションから「絶対にいいものを作るぞ」という製作チームの気合がビンビン伝わってきます。透過された色がいろんなシーンで使われているのも今っぽくてきれいで素敵だと思いました。

星野源の主題歌がすごい

このブログの前の記事でも言いましたが星野源さんの主題歌がめっちゃ良い。めっちゃ良い。星野源さん天才だと思う。

映画見る前から僕も娘も虜になっていたこの歌。映画館から帰ってまた聴いてみると改めてめっちゃ良い。なんなんこの「ドラえもんわかってる人」にしか書けない歌詞。映画見た後だと歌が今回の映画にも超リンクしてることに気づくし。最高かよ。

星野源さんの本読んでから僕の中でこの人の好感度だだ上がりしてたのに今回のドラえもんでまたさらに30倍ぐらい上がりました。本当にありがとうございます。

まとめ:邦画ってすごいよ

今回の新宝島ってシン・ゴジラをはじめて見たときの衝撃に似ていました(話が似ているわけではない)。

シン・ゴジラ見に行ったときって前評判は聞いていたものの「いや、所詮ゴジラだよな」っていう気持ちで見たら予想を遥かに上回って超一級作品だったっていう。

宝島もいくら川村元気さん脚本で星野源さん主題歌でめっちゃ気合入ってる気がするけど「いや、所詮ドラえもんだよな」っていう気持ちで見たら予想を遥かに超えまくって超一級作品だったっていう。

どちらも往年のキャラクターというフォーマットを使って全く新しい最高の作品を生み出している。これってめっちゃ痛快な体験だと思いませんか??誰かの中では生き続けているけど他の誰かの中ではもう死んでいる(オワコン化)している、または子ども達のためだけのものになっているキャラクターが、1つの作品を通してみんなの中で生き返るの。最高だと思います。シン・ゴジラで国民みんなが味わったあの感覚を、ぜひ今度はアニメで、ドラえもんで、またみんなに味わってほしいよ。すごいことだよ。

「君の名は。」でわかったけどもう今の日本の映画に「子ども向け作品」なんてないんだと思った。「ドラえもん」だってそうなんだもん。「子どもだけが喜べばいいや」なんて思いながら作ってるクリエイターなんていないんだ。「お客さんに子どもも大人もない。これを見る全てのお客さんを感動させる。」きっとそんな気持ち。その気持ちってすげー尊くないですか。僕はすげー好きです。そういった尊さと熱量を「シン・ゴジラ」「君の名は。」以降に作られている日本の映画作品からヒシヒシと感じてならないんです。まじで邦画っておもしろいよ。