本を読むときに読書ノートというものをつけるようになった。読書ノートをつけているといろいろなメリットがでてきたのでその書き方を紹介してみる。
読書ノートとは
本を読んでいて「心が動いた部分」を拾って集めたもの。
読書ノートの書き方
読書ノートの書き方を、又吉直樹さんの「夜を乗り越える」を読んでいるときに自分が実際に書いたノート(上の写真)を例にして説明します。
まずは日付と読んだ場所を書く
まずは日付とその本を読んだ場所を書く。
例)20160707木@東京駅八重洲北口スターバックス
あとで読み返したときに場所が思い出せると読んだときのその場の雰囲気と一緒にそのときの自分の感情も思い出される。記憶ってこういうちょっとしたヒントに紐づいて蘇ってくるものなんだよね。だからどうでもよさそうに見えてこれを書いておくことは意外と重要なのだ。
本のタイトルと著者名を書く
読んでいる本のタイトルと著者名を書く。
例) 「夜を乗り越える」又吉直樹
タイトルと著者名には下線を引いておくと見やすくて良い。日付をまたいだり他の本をまたいだときは再度タイトルと著者名を書く。
引っかかった部分を書き写す
本を読んでいて「引っかかった部分」、「『あ!』と思った部分」、つまり「心が動いた部分」をそのまま書き写す。
例) p70. カキフライがないなら来なかった
ページ数を書いておくとあとでその部分を読み返せるから便利。書き写す部分は文章まるまる書き写してもいいし、一行とか一部分だけ書き写してもいい。「いい」と思った部分は遠慮なくどんどん拾って書き写す。
最後に感想を書く
吹き出しマークを付けて簡単に感想を書く。3〜4行ぐらいで簡単に書く。本を読み終わって一番最後にまとめとして書いてもいいし、本を読んでいる途中に書きたくなったらその都度書いてもいいし。その本を読んで自分が何を考えたのかを書き込むと、読むだけで終わったときよりも本の内容が身になるし、その本に愛着が沸く。自分の本になった気がする。
例)芸人って多才だ。漫才するだけが芸人じゃないんだなあ。又吉さんが火花以前にもいろいろなコラムや短編小説を書いていたとは全く知らなかった。やはりたくさん読書をする人というのは自分でも文章が書けるようになるものなのかな。
その他に書くこと
読書ノートの基本は上の3つだけでいい(簡単!)。自分は読書ノートをアイディア帳みたいなものと兼ねているのでそれ以外のことも書いている。
何かアイディアが浮かんだら電球マーク
本を読んでいると書いてある内容に引きずられて、仕事や趣味でのいいアイディアが浮かんできたりする。そんなときは電球マークと一緒にそのアイディアも書き込む。
例) ◎本を再読してみる
本を読んでいると本の内容と全く関係のないことをひらめいたり考えたりすることもあるんだけどそんなことも気にせず書いておく。
実行しようと思ったことはチェックボックス
本の中で「これは実際にやってみよう」と 思ったことはやる気が出るようにチェックボックスをつけて書いておく。
例) ▫︎斜陽 ▫︎羅生門
↑これは本の中で紹介されていて実際に読んでみたいと思った本。
ブログのネタになりそうなことは鉛筆マーク
本を読んでいて「あ、このネタで1個記事がかけそうかも」って思うことがある。そんなときは鉛筆マークと一緒に記事のタイトルになりそうなメモを残しておく。
例)もう一生叶うことのない京都への憧れ
↑これは本の内容とは関係なくそのときひらめいた記事のタイトル。これはその後に書いた記事↓
読書ノートを書くメリット
読書ノートを書くと普通に本を読むよりいろいろといい効果がでてきた。
本を読んでいる途中に1回立ち止まれる
本の中で引っかかった文章を読書ノートを書き写している時間はその文章のことについてしか考えなくなる。普通に読むだけだと通り過ぎてしまうところを、書き写すことによって1回立ち止まってその内容についてじっくり考えたり味わったりすることができる。
本を読むモチベーションがあがる
読書ノートを書きながら読書をしていると、「いい文章見つけるぞー」と、本の中で宝探しをするような目的意識が生まれので本を読むモチベーションがあがる。普通に読んでいたときより読書が楽しくなる。
後で読み返すと楽しい
読書ノートのページ数が溜まってくると後でノートを読み返すのが楽しい。ノートが自分の好きな言葉ばかりで埋まっているというのはなかなか気分がいいしわくわくする。これはツイッターのお気に入り(いいね)の画面を眺めているときの気分に近いかもしれない。本の中の大切な部分はノートに書いてあるのでノートを見れば本の内容が大体思い出せる。
ブログを書くときに便利
読んだ感想をブログに書きたいときに、どこに何が書いてあったかを思い出すのってなかなか大変。だから読書ノートがあるととても便利。自分がどこに反応したかが全部ノートに残っているので本を改めて読み返さなくてもノートだけ見ればそれを読みながらまとまった感想が書ける。気になった部分があったらページ数を頼りにしてその部分だけもう一度本を読み返すこともできる。
自分の頭の中をまとめる練習になる
普通は本を読んだら読みっぱなしにしてまた次の本を読むことになるけど、その本を読んで考えたことを頭の中だけではなくて(というか書こうと思わないとちゃんと考えることすらしない)紙に書くことで自分の頭の中をまとめる練習(人に説明をする練習)になる。この力は仕事で必ず役に立つ。
読書ノートと相性のいい本
新書やビジネス書や自己啓発的な本は「これはやってみよう」とか「これは覚えておこう」とか思う部分がたくさん出てくるので読書ノートに書き写したくなる部分が多くなると思う。
逆に小説は物語を味わうものなのでノートを開いても書き写すタイミングが少ない。気に入ったセリフと感想ぐらいになるかと思う。
読書ノートにおすすめのノート
自分の場合、一番上に写真を載せているモレスキンのポケットサイズの無地タイプを読書ノートとして使ってる。文庫本ぐらいのサイズで持ち運びやすいし、さすがモレスキンは描きやすい。ちょっと高いけどちょっと高いぐらいのほうが書くモチベーションが上がる。
あんまり持ち運ばない人はラージサイズがおすすめ。
読書ノートが書けないときにおすすめのアプリ
とは言ってもじっくりノートを書きながら本を読める場所なんて自宅かカフェか新幹線の中ぐらいしかない(僕の場合)。通勤電車で立ったまま読書するようなときにはスマホのアプリで書くようにしてる。
このDayOneというアプリがおすすめ。日記用アプリなんだけどデザインも機能もシンプルですごくお気に入り。EvernoteよりDay Oneの方が好きでよく使ってる。
まとめ:読書ノートは未来の自分への贈り物
読書ノートをつけるようになってから本を読むのが楽しくなった。いつ何の本を読んだかって時間が経つと忘れるしせっかく読んだ内容も忘れちゃうので記録に残すのって本当に大事だ。このノートを歳をとるまでずっと書き続けていたとしたら。ノートを読み返すことで自分の人生を振り返ることができるんじゃないだろうか。「このときはこんな本を読んでこんなことを考えてたなあ」とか「この考え方は今もずっと自分の中で生きてるなあ、このときに仕入れたものだったのか」とか。
どんな本を読んだかで人の思考って変わる。未来の自分のためにそんな思考のグラデーションを読書ノートとして残しておくのはいかがだろうか。
↑読書ノートの書き方はこの本に出てくる「1ライン・サンプリング」という方法を参考にしている。
↑メモの書き方はこの本が参考になった。タイトルがもう良いよね。
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↑ たくさん読書して読書ノートにたくさん記録。