3ヶ月前からこのブログを書き始めた。本を読んだり、ライブに行ったり、映画を見たりしても「あー楽しかった」で終わっていたからちゃんとその時感じたこととか思ったことを自分の頭で考えてまとめる習慣ををつけようと思って始めた。
なんでそんなことをしようと思ったかというとこの本を読んだ影響が大きかった。この本も昨年、赤羽の本屋で見つけて買った。会社で上司から「人に説明する力」を付けるように言われて、それをここ何年もずっと仕事の目標にしているのでこういう「説明がうまくなりそうな本」を見つけたら買うようにしている。
日本人はなぜ話をまとめるのが苦手なのか
日本の小学生が読書感想文を書くときには、先生から「自分の思ったことや感じたことを書きなさい」と教育される。一方、外国では長い文章を読んで「内容をまとめなさい」と教育される。日本人は「まとめることなんて誰でもできる」と思って「まとめる力」を身につけるトレーニングをしてこなかったから(教育されてこなかったから)まとめるのが下手だったり人に説明をするのが苦手な人が多い。だから日頃から「まとめる力」をつけるトレーニングをしよう!というのがこの本で著者が言いたいことだと思う。
読んで「わかった」で終わりにしないこと
新聞や本を読んで、「なるほど」と思う。「そういうことか」と納得する。それで終わりです。「わかった」と思っています。
「わかった」のでしたら、まとめることは簡単ですね。あらすじをまとめる。意見や主張の要点を並べてみる。論旨の全体を要約してみる。そういったことは新聞や本から目を離してもできるはずです。
でも、そういう面倒なことはしません。
「わかった」のだから、いまさらまとめる必要はないと考えます。そんな習慣こそ、改めてみてはどうでしょうか。
(第2章 日々「まとめる力」のトレーニングをしよう p64)
この文章を読んで頭をがつんと殴られた気がした。「ひえ〜ごめんなさい」と思った。これまでの自分の生活はまさにこの状態だった。本を読んでもネットでニュース記事を読んでも「ほうほう!なるほどなー!なるほどなるほど!」と思うだけでなんにも考えてなかった。記事を読んで「なるほどなるほど!」その記事についたはてなブックマークのコメントを読んで「へー!そんな考え方もあるんですね!!なるほどなるほど!みんなすごいなーなるほどなー!」ってずっとそんな感じ。「なるほど」ってなんだ。「なるほど」って何もわかってないよね。というわけで「人に説明する力」をつけるためにはまず「まとめる力」をつけることが大事ということがわかった。そういうわけで本を読んだり映画を見たりした時は、まず自分なりに話をまとめた「あらすじ」を書いてその作品を読んで感じたこととか大事な部分をまとめるようになった。
他人の話をちゃんと聞いていますか?
まず他人の話を、目と耳と心を開いて、ちゃんと聞くこと。とても平凡なことですが、「まとめる力」のある人はこのことを誠実に実行しています。
「まとめる力」のない人は、自分の感情や考え、感想をまとめるのに精いっぱいで、他人の話を聞く余裕がありません。「どう言えばわかってもらえるか」「どう反論すれば相手をやり込められるか」といったことだけ考えています。
(第2章 日々「まとめる力」のトレーニングをしよう p82)
会社の会議(レビュー)などで人に説明をするときに、自分はまさにこの状態だった。何か指摘を受けてもどう反論すれば相手が納得してくれるか「いいわけ」を考えているような感じ。相手の意見を「聞いて」「受けいれる」余裕が全然なかった。自分が説明をするのにいっぱいいっぱいでどうすればその場をやり過ごせるかばかりを考えていたような気がする。最近は「相手がどうしてそのような意見をくれたのか」、言葉の真意を考えるようになった。自分が作ったものに対して人にダメ出しされるのって辛いけど、ダメ出しをくれる人って相手をいじめたくて言っているわけではなくて「いいもの」を作ろうとして協力してくれてるからなんだなと思うようになった。そう考えると人の話をちゃんと聞くことができるようになった。
「わからないことは聞く」
わたしが取材していたときに、ベテランの編集者や記者が繰り返し言ったのは「わからないことは聞け」ということでした。相手の言葉を鵜呑みにしないで、自分の頭で理解できるようになるまで質問しろ、ということでした。
(第3章 大事なことはメモする習慣をつけよう p91)
社会人になったばかりの頃は、人の話を聞いていてわからないことがあったら、何度も聞き返すのがなんだか申し訳なくてわからないままで済ますことが多かった気がする。なんとなくわかった気がして自分の席に戻るとやっぱりわからない。自分の頭で何も考えていないから、わかった「気がしただけ」で、何もわかっていなかった。人の話を聞いているときはわからない部分はそのままうやむやにするのではなくて、自分の頭で考えて、もやもやする部分があればはっきりするまで質問するようになった。自分がわからない部分をちゃんと伝えることは相手の説明の「わかりにくい部分」を教えてあげることにもなるので相手のためにもなる。
いつも「なぜ?」と自問してみよう
相手のことばを鵜呑みにしないで「なぜ?」を問いかける習慣を身につけてください。
(第5章 「なぜ?」を忘れなければ「まとめる力」が育つ p131)
成功している人や仕事ができる人には理由がある。「あの人は頭がいいから」で済ませるのではなくて、「なぜ」うまくいっているのか「なぜ」そのような行動をしているのか等を日頃から考えていると「まとめる力」と漠然としたイメージを「ことばにする力」が身につく。可能な状況であれば相手に直接質問してみても良いと著者は言っている。
とにかくやってみようと言える人がいい
やってみて失敗したら、軌道修正したり別のプランに変えればいいのです。「まとめる力」は最終的には実行することでしか有効にならないのですから、仮説を検証することが第一歩になります。
それに、「やってみよう」と言える人は朗らかです。腕組みするのは調整役でしょう。リーダーには朗らかな実行力がなければいけません。
(第7章 「わかりやすさ」を心がけて「まとめる力」を鍛えよう p176)
自分の仕事の話になるけど、企業の情報システムを作っていると「実績(過去にやったこと)があることをやろう」となることが多くなる。実績がない新しいことをすると失敗をする可能性が高いからだ。企業向けシステムはコンシューマー向けシステム(個人向けシステム)に比べて失敗が許されないので仕方ないことなんだけど、「実績がないことしかしない」でいると「昔から何も進歩しない」ことになってしまう。怖いから「やらない」ばかりを選択するのではなくて状況を見て新しいことも「やってみよう」と朗らかに行動を起こしていきたい。
まとめ:作品に触れたらトレーニングしよう
この本で著者の言いたいことは「日本人はまとめる力を教わってこなかったら日頃からトレーニングをしよう」ということ。というわけでこれからも何かの作品に触れたら「へーなるほど」で済ませるんじゃなくてできるだけブログにまとめるなどしてトレーニングしていきたい。