ついにこの日がやって来た!いや、もう来ないと思ってた。「椎名林檎と彼奴等がゆく百鬼夜行2015」の映像作品化。
見るだけで涎が出そうになるこの贅沢なセットリストを手元に置いて置かない手はないっす。
というわけで映像化を祝しましてこの作品の紹介とこのライブの感想を書きます。
これでこのライブの千秋楽チケット取れたのに東京出張で行けなくなった僕の魂が報われるか(たぶん報われない)。
椎名林檎と彼奴等がゆく百鬼夜行2015の紹介
椎名林檎と彼奴等が行く 百鬼夜行2015 [Blu-ray] |
椎名林檎と彼奴等が行く 百鬼夜行2015 [DVD] |
ファン待望の彼奴等が
ここは地獄か天国か。この世のものとは思えない椎名林檎と彼奴等の演奏、演出。椎名林檎としては12年ぶりとなったホールツアーの模様をついに映像化した作品。
2枚組でのリリース、もう1枚は何ぞや
1枚目はツアー14日目、2015年12月9日@神奈川県民ホールでのライブ映像。
2枚目はツアー後の2016年2月23日@神奈川県民ホールで行われた、撮り下ろしのセッション「椎名林檎と彼奴等による陰翳礼讃2016」。ツアーと同じバンド「MANGARAMA」による、ツアーでは披露されなかった曲達で構成されたセッリスト。何故客を入れなかった。
WOWOWライブで既に見た人も欲しくなる手口
WOWOWライブでも放送されたこのライブ。既に見た人は一瞬「もうええかな...」って思いそうなもんだけど然うは問屋が卸さねえ。2枚目のDVDはもちろん、WOWOWライブで放送されなかったアンコール曲「逆さに数えて」「虚言症」もばっちり収録される。なにこのエモい曲のコンボ鼻血出そう。この二曲のためだけでもお金払うよ俺は。
収録曲
DISK1
椎名林檎と彼奴等が行く百鬼夜行2015 12月9日@神奈川県民ホール
1. 凡才肌
2. やさしい哲学
3. いろはにほへと
4. 尖った手口
5. 労働者
6. 走れゎナンバー
7. 神様、仏様
8. 現実に於て
9. 現実を嗤う
10. SG ~Superficial Gossip~
11. 熱愛発覚中
12. とりこし苦労
13. 至上の人生
14. ブラックアウト
15. 迷彩
16. 罪と罰
17. 夢の途中
18. Σ
19. 警告
20. マヤカシ優男
21. 名うての泥棒猫
22. 真夜中は純潔
23. きらきら武士
24. 御祭騒ぎ
25. 長く短い祭
26. 群青日和
27. NIPPON
28. 逆さに数えて
29. 虚言症
DISK2
椎名林檎と彼奴等による陰翳礼讃2016 2月23日@神奈川県民ホール
1. 青春の瞬き
2. 歌舞伎町の女王
3. ちちんぷいぷい
4. 密偵物語
5. 殺し屋危機一髪
6. カリソメ乙女
7. 旬
8. おいしい季節
9. 女の子は誰でも
10. ありあまる富
感想
※以下はWOWOWライブを見た感想です
椎名林檎はアルバムの中の比較的地味な曲にライブ一曲目としてスポットを当てることが多い。CDを聞いただけではピンと来ていなかった曲がライブの体験を通すことで大好きな一曲として急上昇したりする。1.凡才肌もその一つとなった。東京事変のライブでおなじみとなったステージ前に配置された透明なスクリーン映像ごしの椎名林檎。幕ごしのただならぬオーラに圧倒される。
2.やさしい哲学ではスクリーンに美しい幾何学模様、その後ろに椎名林檎。まるで新しいMVを見ている気分だ。幕が開く。この時の高揚感が毎度たまらない。
横向きでマイクに向かいタンバリンを叩く3.いろはにほへと。この世にこんな綺麗な流し目でタンバリンを叩く人間が他にいるだろうか!と叫びたくなるほど美しい立ち姿に見とれる。
エフェクトがかかった歌い出しに懐かしい気持ちと新鮮な気持ちが同時に呼び起こされる4.尖った手口。スクリーンに特別出演するMummy-D僧はカルテットを見終えた今では家森さんを追いかけるあの人にしか見えない!
歌舞伎町的なネオン看板に「娑婆」。「ようこそ娑婆世界へ!」と呼びかけて始まる5.労働者はシュールな演出が盛りだくさんだ。
LINEのやりとりをする労働者が「そうだ 樹海、いこう・・」とつぶやき、ドライブが始まる。6.走れゎナンバー。スクリーンに映る「ゎ04-17」ナンバーにテンションが上がる。
7.神様、仏様では、東京事変一期の頃から何ら変わりなく、居て当然かのごとくキーボードをかき鳴らすHZMとそこに寄りかかる椎名林檎の姿が感慨深い。この曲の最後にはバンドMANGRAMAのメンバー紹介映像がまたかっこいい。これが彼奴等か!
その後、ヒイズミマサユキが一人ピアノで鳴らす8.現実に於いてでこれまた東京事変一期の記憶が蘇ってきて泣きそうになったのは自分だけだろうか。このインストに続く曲はもちろん9.現実を嗤う。コートを羽織った椎名林檎の周りにレーザービームが踊る。レーザーなのにムーディー。こんなの初めて。
10.SG〜Superfical Gossip〜。今になってついにこのソロ曲をライブで聴ける日が来るなんて、一瞬「事変解散してよかった」なんて思ってしまったからバチが当たる。
いつの間にかコートを脱いでいる椎名林檎がナース姿で踊る11.熱愛発覚中。社会現象を巻き起こして消費されたナース姿に嫌気が刺していたあの椎名林檎がこの姿でこんなコミカルなダンスを踊る未来を誰が想像した!一瞬「事変解散してよかった」なんて思ってしまったからバチが(2回目)。
ナース姿を「すっぱ抜いて」なにこれ下着なのみたいなあられもない格好でアコギを抱えて歌うアーティストはこの人しかおらん。12.とりこし苦労。
13.至上の人生で耳なし芳一みたいになる椎名林檎が至上すぎる。この演出考えた人(たぶん児玉監督)天才すぎる。早くこの曲を収録したニューアルバムを出してほしすぎる。
14.ブラックアウトでコートを担いで歌う椎名林檎は知っている。自分の魅せ方を知っている。それにしてもこの人はブラックアウト(もしくは禁じられた遊び)が好きである。
梅に鶯、15.迷彩には番傘である。平成風俗風の早口アレンジに痺れ、そのまま流れる16.罪と罰の今も昔も変わらぬ歌声と真っ赤な照明に、ゆらゆら倒れそうで倒れない(結局倒れる)姿に、見ているこっちが倒れそうになる。
そのまま、まさかの17.Σ。この時代にこの曲を聴ける日が来るなんて。「事変解散してよかった」なんて思って(3回目)。必須アイテム拡声器も出てくる。拡声器見た直後だと西村浩二さんのトランペットがめっちゃ小さく見えるトリックアートかしら(違う)。そのまままた真っ赤な照明の18.警告に「ギタぁぁーー」。和装でエレキギターをかき鳴らす姿は座禅エクスタシーを彷彿とさせる。「事変解散してよかっ(4回目)。
スーパーマリオのクッパが出てきそうなトランペットで始まる曲はこの曲しかない。19.マヤカシ優男だ。「ピアーノぉー」の後にこぼれる椎名林檎の笑顔が見られるのはワンマンライブだけ!とか言いたくなる。
石川さゆり提供曲の20.名うての泥棒猫は石川さゆりさんがいなくとも石川さゆりを感じる(何言ってるかわかんない)。東京事変Dynamyteツアーの「ボンジュール」っぽく「ヨコハマー」って言われてテンションが上がる(細かすぎて伝わらない)。
剣道の稽古の後みたいな格好(どんなんだよ)で小さい提灯を持って歌う21.真夜中は純潔の後、また服を脱いで(何回脱ぐんや)22.御祭騒ぎはぶんぶん太鼓を振り回して踊り、流れるようにして23.長く短い祭り。このライブで一番待ち望まれていたであろう楽曲と浮雲のコーラスとおなじみの手旗のコンボに大歓声が上がる。
その後に拡声器で歌う24.群青日和は本編なのにアンコールかしらと勘違いしてしまうような展開だ。拡声器を捨てて事変初期のあの頃と変わらぬ格好でギターを鳴らす姿が感慨深い。そのまま25.NIPPON。「過去」の椎名林檎と「今」の椎名林檎が重なる、繋がる。なんて贅沢なライブなんだろう。スクリーンに大きく映し出される日の丸に一瞬、「右翼」呼ばわりするネットの声が聞こえた気がしたけどそんなことどうでも良い。ほんとどうでも良いくらいにかっこいいのだ。椎名林檎ここにありなのだ。
まとめ:天の岩戸隠れ
リオ五輪閉会式引継ぎ式の演出、カルテット主題歌の提供、最近は椎名林檎さんが希望していた「裏方」の仕事でファン以外の世間をも揺るがし、着々と裏方としての実績を残している。裏方で成功を収める度に、ファンとしては大きな喜びと小さな切なさが混じり合う。
改めてこのライブを見て確信する。椎名林檎はライブの人だ。「表方」の人だ。
神様、仏様、林檎様、そろそろ表に出てきてくださいな。なんか天の岩戸隠れする天照大御神を待つ神々みたいな気持ちになった。我々ファンが今できることはこのブルーレイ・DVDを見ながら賑やかに笑っていることだ。そうすれば大御神がそっと岩戸を開けてくれる日も遠くない。かも。
バンド「MANGRAMA」
starring:椎名林檎
drums:玉田豊夢
bass:鳥越啓介
key:ヒイズミマサユ機
guitar & vox:浮雲
guitar:名越由貴夫
trombone:村田陽一
trumpet:西村浩二
sax & flute:山本拓夫
椎名林檎と彼奴等がゆく百鬼夜行2015ツアースケジュールのおさらい
2015/10/14 オリンパスホール八王子 (東京)
2015/10/15 オリンパスホール八王子 (東京)
2015/10/26 フェスティバルホール (大阪)
2015/10/27 フェスティバルホール (大阪)
2015/11/06 NHKホール (東京)
2015/11/07 NHKホール (東京)
2015/11/12 名古屋国際会議場 センチュリーホール (愛知)
2015/11/13 名古屋国際会議場 センチュリーホール (愛知)
2015/11/19 新潟県民会館 大ホール (新潟)
2015/11/25 仙台サンプラザ ホール (宮城)
2015/11/30 福岡サンパレス (福岡)
2015/12/01 福岡サンパレス (福岡)
2015/12/08 神奈川県民ホール 大ホール (神奈川)
2015/12/09 神奈川県民ホール 大ホール (神奈川)←ココ
2015/12/11 さっぽろ芸術文化の館 ニトリ文化ホール (北海道)
2015/12/17 神戸国際会館こくさいホール (兵庫)
2015/12/18 神戸国際会館こくさいホール (兵庫)
2015/12/20 上野学園ホール (広島)
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