映画のエンドロールが好きです。本編よりもなによりもあの時間のために映画を観ていると言っても過言ではない。
映画本編を真剣に観た人だけに与えられるご褒美。スーパー余韻タイムである。映画のエンドロールで聴いた曲たちはかなりの確率で好きになる。
この前こんな記事を書いた。
エモい曲が好きだ。邦画のエンドロールにはそんなエモい曲が多い気がする。映画を観終わった後も何日も余韻が体に残っていて、「ああ、またあの時間(あの場所)に戻りたい!」と想うくらい。
エンドロールがエモい邦画10選
というわけで今まで観た映画の中でエンドロールがエモかった邦画を10個選んだ。
1.重力ピエロ
伊坂幸太郎さんが好きです。伊坂さんの小説の中でも一番好きな作品が映画化したもの。映画館で本編観終わった後に流れた全然知らないバンドのこの曲がほんとにエモくて、このままずっと余韻に浸っていたくて席を立ちたくなかった。S.R.Sというバンドの「Sometimes」という曲。
映画を観終わったあともその余韻がずっと残っていて、あの空間に戻りたいと思いながらMVを繰り返し見続けていた(主人公の春(はる)がMVにも出てくるから最高)。
CDも買った。重力ピエロのDVDも買った。だけど1回目に映画館で得られたあの感覚は2回目以降には戻ってこなかった。そうなんだよね。1回目には勝てない。つらい。そんな大切な作品。
2.天然コケッコー
重力ピエロのエンドロールの感覚を取り戻したくて春役の岡田将生さんが出ている作品を借りて観た。夏帆ちゃんが主演。若い。
映画の終わり方とエンドロールがエモい。くるりの「言葉はさんかく 心はしかく」。
くるりはあんまり詳しくないけどこの曲だけは何回も聴いた。大切な曲です。木村カエラがカバーしたやつも好き。
3.Laundry(ランドリー)

本編もエモいし、エンドロールで流れたこの曲がたぶん一生好き。渡辺善太郎の1人ユニットatamiでBONNIE PINKがボーカルをしている「under the sun」という曲。
夕焼けのような朝焼けのような、いや、気だるい昼下がりのような。これもCDを買って繰り返し聴いた。
映画の映像もエモくて美しくてこの映画みたいな写真が撮りたくてカメラを買った。
4.腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

さとえり主演ですごく気になって観た映画。おもしろかった。そしてエンドロールが超エモい。「世界が終わる夜に」。
例えば虚しく時が過ぎ 馴れ馴れしい静寂が来る
しまった!もう世界は終わっていた
チャットモンチーをよく知らない人は、この退廃的な世界観にはっとさせられるはず。この曲とこの曲を収録したアルバム「生命力」を繰り返し聴きまくった。チャットモンチーの名盤。
5.リリィ・シュシュのすべて
映画の中でsalyuがリリィシュシュという架空のアーティストとして歌う。Lily Chou-Chouの名でリリースされた「呼吸」というアルバムの曲が全部良くて全部エモくて何回も聴いた。エンドロールはこのアルバムの中の「グライド」。
salyuいいなあと思ってsalyuの他の曲も聴いてみたけどしっくりこなかった。僕が好きだったのはsalyuじゃなくてリリィシュシュだったようだ。
ちなみになにも知らずに映画を観ていたら冒頭の掲示板への書き込みみたいなシーンで唐突に“私は間違いなく椎名林檎。”という文字が出てきて「!!?」ってなった。
6.人のセックスを笑うな
山崎ナオコーラさんの小説を映画化したもの。すみません僕が好きなこの曲エンドロールじゃなくて挿入歌でした。武田カオリ with HAKASE-SUNの「ANGEL」。
主人公のみるめ君(松山ケンイチ)が思いをよせるユリ(永作博美)が部屋で下着でタバコをぷかぷかしている時(だったと思う)に流れていたこの曲がほんと好き。
日曜日の朝とかに掃除しながら聴きたい。
7.ソラニン
やっぱアジカンは最高。エンドロールはこの作品の要となる「ソラニン」という曲。
浅野いにおさんの漫画が原作で、歌詞も担当している。浅野いにおさんの漫画のエモさがそのまま音楽になっていてたまらないです。
映画本編もこれからどう生きるかという若者のもやもやした悩みがこれを観ていた時期の自分と重なって刺さった。
8.ノルウェイの森
村上春樹の小説を映画化したもの。映画館で観た。めっちゃ世間の評価が悪かったんだけど僕は好きだった。草原のシーンとか雪のシーンとかの画がきれいだったり、この時期、村上春樹の小説をめっちゃ読んでいたので「人間が村上春樹のセリフをしゃべっている」というだけで楽しめた。 エンドロールはビートルズのノルウェーの森という曲。
9.ジャッジ!
サカナクションがこの映画のエンドロールのために書いた「ユリイカ」という曲がほんとに好き。
もうあれから3年以上経つのか...。早くこの曲が収録されたサカナクションのニューアルバムが聴きたいです。いつ新作出すんだろう。映画冒頭ではサカナクションの「アイデンティティ」も使われているのでサカナファンは絶対テンション上がります。
本編はエモくはないけどおもしろかった。広告業界の裏側が見えた感じ。
10.WE ARE Perfume
Perfume15周年を記念して制作された、Perfumeのワールドツアーを追ったドキュメンタリー映画。この映画のエンドロールのために中田ヤスタカさんが書いた曲が「STAR TRAIN」。
中田さんの曲の中でPerfumeの3人が初めて「私たちの歌だ」って確信できたぐらい直接的にPerfume の3人のことを歌っている。これまでのPerfumeの軌跡を追っかけてきたファンならきっと涙すると思う(僕もレイトショーの映画館でめっちゃ泣いてました)。
まとめ:エンドロール観ながら死にたい
世界中の「エモい」の3割ぐらいは映画のエンドロールの中に詰まっている気がします。もし自分が死ぬなら映画館でエンドロールを観ながら静かに死にたい(迷惑)。
映画を観てから聴くか、曲から聴くか、あなた次第。ぜひ試してみてね。